
物語を構築する前の準備運動
私は以前からアニメ作りに大変興味があった。
自分が運営するYOUTUBEチャンネル立ち上げ計画を決めたことで、アニメの3DCGについて調べ始めた。アニメ制作現場のドキュメンタリーを観たり、有名なクリエイターから新進気鋭のクリエイターの作品も時間を割けるだけ割いて触れる。同時並行で3DCGソフトの学習をスタート。YOUTUBE立ち上げ進捗については別記事で追っていただけたら大変うれしいです。
今回のプロジェクトはアニメ作品を作る!というもう一つの夢。新プロジェクトについてのお話。
さて、どうなることやら。とにかく、焦る必要はない。時間をかけてじっくり進むつもりだ。当面の目標は下手でもいいから最後まで完成させること。それと、せっかくのオリジナルなので、自分の好きに妥協しないこと。一歩、一歩、楽しみながら、このプロジェクトの進捗を記録していこうと思う。
今回は本格的に物語を開発していく前段階のお話。思いついたイメージや妄想をある程度膨らませて物語を組んでいく取っ掛かりするための準備運動みたいな部分だ。この作業工程を細かく文章で綴りながら考えていきたいと思う。
0→1の発想からスタート
3DCGの勉強を始めて2週間ほど経過。チュートリアルを見て操作を覚えている段階である。
とにかく人物や背景、マテリアルを自由に作れるようになりたい。そこからスタートな気もするが、アニメ作品を作るという目標をもってしまった以上は、コンセプトでもメモでもなんでもいいので、浮かんだものをホワイトボードに書き出していく。シナリオ開発のやり方で行きましょう。オリジナルを作り出すのはいつも難しい。
まずは描きたい場面や人を想像してみる
テーマとかジャンルとかは度外視。どんな奴が何に対して何をしている場面が思い浮かんだ?
と自分の脳みそや心に質問してみる。ピンと思い浮かんだ場面はというと…
「何かやらかして人生詰んだ男が好きな女性に殺されたいと願い殺してもらう場面」
誰が見たいねん‼ ええ、おっしゃる通りです。ともう一人のリトルにツッコミをかます。
でもしょうがないじゃん、思い浮かんじゃったんだからさ…。
ただ、これを実現するのに自分の中で大きな疑問が浮かんだのだ。
その場面を描きたいのは分かるけど、なぜアニメ? どちらかと言ったら実写向けじゃね?
はい、はい、おっしゃる通りです。
でもしょうがないじゃん。思い浮かんじゃったし、アニメ作品を作りたいんだから。
技術的な問題もありながら、やはりアニメで描ける範囲というのは、まだまだどうしても限界があるように思う。それは人間の動作や表情の生々しさやリアルさという点でとても感じる。絵や3DCGでその生々しさを表現するのはとても難しい。絶対に無理ではないとは思う。自分が少し関わらせていただいたフル3DCGアニメーション映画「BIOHAZARD」でも、モーションキャプチャーなどの技術を活用して細かい動作や表情などは再現可能であったし、「進撃の巨人」や「鬼滅の刃」など人気アニメ作品は作画のクオリティーだけとっても見事に視聴者の感情を動かしている。
その一方で、そういったアニメ作品は、ディレクターの演出力や声優さんたちの演技力も絶対的に必要不可欠だともいえる。実写で俳優さんが演じた方がその生々しさは伝わることも多いと思うのだ。さらに言うと、設定(要するに物語の世界観やテーマなど)も「アニメとしてちゃんと観られる」ということも要素としては強い気がする。だから、アニメの実写化、実写のアニメ化、がなかなかうまくいかないこともあったりなかったりするのではないかと。
それよりなにより、自分の技術力がそこまで到達するのにどれだけ時間がかかるのかという絶望感が先にくるのだが……。
そんなことがぐるぐる頭を巡るわけだが、とにかくアニメ作品を作りたい!という目標に立ち戻ることにした。細かいことや余計な事はあとから考えればいいや!その精神でいきましょう!
描きたい場面を少しずつ膨らませる
さてさて、その「人生詰んだ男」だが、どんな奴だろう?と妄想する。切り口はなんでもいい。少しずつ膨らませてみる。もちろん、男から入ってもいいし、相手の女性から入ってもいいし、その場面はどんな場所だろう?とシチュエーションから膨らませてもいい。自由に発想すること。考えるのはタダですから。
「前回のカウンセリングから今日までで、死にたいと思ったことはありましたか?」
私が通院している精神科の先生の言葉がふと浮かんだ。まあ結局ですね、自分で作品を作るときは、経験やその時の感情とか、そういところから引っ張り出してくるのがやりやすいのだなと。物語とはつまり「ドラマを描く作業」なわけなのですよ。ということで、「人生詰んでいる」というところでは今の自分に投影させても耳の痛い話ではあるなと思い、そんな状況にあるのどうしてだろう? 死にたいと思い、どうせ死ぬなら愛する異性に殺してもらおう!というとんでもなく自己中心的で無責任極まりなくサイコパスな考えに至る状況ってなんだろう?と考えてみるのです。
人生詰んだ男の要素を固めていく
発想としてはこんな感じの流れだ
①人生詰んだ要因はなんだろう?(しょーもないことがいいな)
男は離婚している。不倫?借金?悪いことした?
最近、ダンベルHEROさん、顔面ニキさん、スーパーノバさん、ジャックポットさんあたりの不倫調査系YOUTUBERの動画がおすすめで上がってくるなー。どんなアルゴリズムだよ!? とはいえ、不倫する度胸があるのも何か違うかもしれない。この男はもっとダメな奴でいてほしい。そうだな、盗撮で捕まったとか、万引きとか、煽り運転とか、自分の感情を自分でおかしな風に発散したような自己完結型のしょーもない理由の方がしっくりくる。キモいかんじの他者評価がいい!
人生詰んだ理由→盗撮で捕まった
②男にも希望を持たせたい
ダメダメな男にも、一つでも希望があった方がいい。特技、社会的地位、環境、忍耐強い、特殊能力に目覚める、など、この男にも希望を持たせてやりたい。やはり作り手としてはキャラクターに愛情を持って接していたいと思うのだ。そして、できればの話ではあるが、その希望とやらが「盗撮で捕まった」という人生詰んだエピソードに少しでも同情する余地を与えられたらいいなと「この男」を甘やかしたいと思うのです。それは不特定多数でなくてもいい。誰か1人、いや、最悪「この男」自身が正当な理由として持っていてもいい。というところから膨らませていくことにする。
さて、ちょっとなかなか思いつかない。こういう時はどうするか。いくつか打開する方法は思いつくのだが、今回は「イメージキャスト」を付けてみることにする。これは連ドラの企画書を作るときにわりと良く使われる方法だ。今の段階で、この男を演じるとしたら誰がしっくりくるだろう?と考える。この方法は、外的要因は全て取っ払って自由に考えるのが良い。外的要因というのは、例えばこれが連ドラ用のオリジナル脚本を企画する時だったとしたら、その俳優さんのギャラがどれくらいとか、予算がどれくらいとか、設定上の縛りや制約がどうだとか、いわゆる、プロデューサーさんからある程度のフォーマットなどが渡されるようなことを指す。しつこいようだが、考えるだけならタダなのだ。
イメージキャスト:故・志賀廣太郎さん

イメージキャスト:俳優・佐藤二朗さん

「この男」は、社会性があまりない方がいい。例えば、一人でモクモクと何かを考えたり作ったりしているのがとても好きだ。ああ、どんどん自分と重なってくる。無意識のことなのかどうなどかはさておき…。クリエイター系のことが得意とかが良いだろうか? いや、なんかちょっと格好良すぎるな。なら、例えば、学ぶこと、勉強することが好きというのはどうだろうか。なんか近づいた気がする。周りが引くくらい努力家。手先が器用。研究熱心。過集中タイプ。猪突猛進。
私は実際、病院で「ADHD」の診断を受けています。特性がそっち寄りになってきたなと、今、ふと思ったので報告までに。「この男」が盗撮するという行動を起こしたのには、何か理由が無くてはいけない。それも、自分の中では正当な理由なのだ。例えば、フィギュア(人形)作家なんてどうだろう? この男は理想の女性のフィギュアを作りたかった。人生を掛けてでも作りたかった。そのためには何が何でも生身の女性(人間)のぬくもり、質感、造形を実際に見て観察して感じなければならなかった。AVとか画面越しの動画ではその本質は掴めない!とはいえ、デリヘルや風俗、パパ活、立ちんぼ、などを利用すればいいのかもしれないが、そんな資金も度胸もない。人とまともにコミュニケーションが取れないのだから…。そんな考えから、偶然見かけた理想の女性をストーキングして盗撮までしてしまった。客観的には犯罪なのだが、「この男」にしてみれば、夢を掴むため、目標を達成するための大事な工程であり、リサーチであるのだ。
男の持つ希望=職人レベルの手先の器用さ。尋常ではない観察眼と探求心。
③描きたい場面の背景を膨らませてみる
次は、「この男」が憧れの女性に殺されたいと願った背景を膨らませてみようと思う。「殺されたい」は究極の愛情、だと人間の感性からすると事実だとしよう。ひとまず。
ということは、「この男」は死にたいと思っていなければいけないことになる。なぜ死にたいと思うようになったのか? なにがきっかけでそこまで追い込まれたのか? ここを考え付ければ、だいぶヒントになってくる。のだが、現段階では、私は思いつかなかった。思いつかないのならば仕方がない。一旦、「この男」から離れてみる。
そうなってくると、ここで焦点を当てるのはもう相手の「女性」しかいないわけだ。この「女性」がアンタゴニストになるわけだから。どこから考えていこう? まずは「女性」と「この男」の接点からかんがえてもいいし。もしくは、「この男」が憧れる女性像とはどういうものか?という「女性」のディテールを膨らませるのでもいい。読者のあなたならどうしますか?
物語が動きやすい、という少しテクニック的なズル要素を取り入れてしまうとすると、この「女性」は、「この男」が理想とする憧れのフォルムであることは間違いないことで、「この男」の性質を想像すると尋常じゃないほど執着する「女性像」であってほしい。ということは決定してしまおう。その上で、二人の距離感は、絶妙に近からず遠からずの「顔見知り」くらいの感じがいい。
そう考えると、「この男」の生活範囲内で「女性」とどのように接点を持たせるといいか。ここでまた私自身の生活範囲を思い返すころに立ち戻ってみる。自分がふとした瞬間に思い起こす、気になる、女性はどういう人がいるだろうか?
2人ほど思い浮かんだ。
● 良くいく(通いなれた)コンビニの店員さん。多分、社員さんなのか役職っぽい優秀な方という印象
●知り合って10年になる、今は年1~2回近況報告で連絡を取り合うか
取り合わないかという関係性だが、私はとても尊敬している女性クリエイター
そんな感じの距離感で始まるのがいい気がする。物語が進むにつれて二人の接点・距離感が近づく変化を起こせればいい。だとしたら、「この男」が良くいく画材屋さんの店員というのはどうだろうか。ひとまずそうしておこう。先週から働き始めましたくらいでもいいかもしれない。とにかく、「この男」が一目惚れのように「女性」を認知して執着していくようになれば良いので。
とここまでざっと思いついたアイデアだが、このままいくと「電車男」のような(古いけど)、キモヲタの奇跡のラブストーリーみたいになってしまいそうで、それは避けたいところ。
だから、ぶっちゃけひたすら「この男」が「女性」に執着してもろて、「女性」は「この男」をしばらくは認識すらしない、いわゆる取るに足らない、眼中にない、くらいの感じでもいいかもしれない。例えば、「この男」が死にたいくらいに酷いトラウマ級の出来事があって、毎日のようにどうにか死ぬ方法を思いついては試して死ねなくて、を繰り返していよいよ手がなくなって、とりあえず日常に戻ろうと考えて、自分のオアシスでもある行きつけの画材屋さんに行ったところ、自分の理想像とぴったりマッチした女性に出会うわけだ。じゃあもう、一旦、人生の最後を飾る作品として、等身大の「憧れの女性」のフィギュアを作ろう!と決意する!そして、満足いくフィギュアが完成したら死のう!と。入りはこれでいいかもしれない。
ということで、アイデアがあっちこっち脱線しまくった結果、ここまで漕ぎ着けました。まあ、こんな感じで始まりのアイデア出しは大体がざっくりしているわけなのですよ。でもこれでいい気がする。死にたくなったきっかけはまた後々に考えればいいかなと。
アニメで描く!ということが目的なので、時代設定・その時代の一般人の様子・文化とか、設定的なことは物語を固めていく中で定めていけば良いとしましょう。今の段階では、の話です。
例えばどういうことかというと…
じゃあ、例えば、SFジャンルを想定していく企画ならば、彼女のフィギュアを作っていく中で、実際に動くロボットのような形にして、彼女の性格などのデータが組み込まれたAIアンドロイドみたいなのを完成させて、その時代の常識では禁忌とされているアンドロイドに自分を殺してもらうという選択をしてしまい…みたいな展開でもいいですし。「この男」の熱量と技術を持ってすれば、アンドロイドを作ることも現実味があるぞ!と思わせるようにすればいいですからね。「この男」がそんなことを企んでいることを「彼女」が気付いてしまうのか? もしくは、気づかずに普段通りの生活を送っているのか? の方向性だけでもドラマが生まれそうな予感がしますしね。
ひとまず、ここまで生まれたアイデアをメモとして記録する。
「この男」…
・基本引きこもりのフィギュア職人。あることがきっかけで死にたい!と思い、いろいろ試すが失敗。
・「理想の女性」に出会い執着するようになる。彼女の等身大のフギュアを作って燃え尽きる!それま
では死ぬのは一旦保留で!という生きる目的が生まれる。
・「理想の女性」に執着した結果、ストーキング・盗撮とかで捕まる。結果、マジで人生詰む。
・例えば、フィギュアをAIを搭載したアンドロイドに改造して自分を殺してもらうように
プログラミングする。
かなりサイコパスな「この男」なので、見る側には「バッドエンド」。でも「この男」からすると大満足の最高の自死。みたいな闇落ちどんより作品感がとてつもないですが……。
もし宜しければ、読者の皆様のご意見やアドバイス、こんなのはどう?というアイデアなどいただけたらとても喜びます!では、また次回の記事でお会いしましょう!